不合格体験記

 縁起でもねえ。(タイトルが)

 実際は合格しました。第一志望の大学に合格しました。やったね。

 でも一浪を経ての合格だったので一度は不合格を体験しているわけで、これは紛れもない不合格体験記です。

 

 約2年弱、受験生として生きたわけだし、せっかくなので残しておこう!のやつです。つーかやっと終わったよ、、、誰か話聞いてよ(泣)ってやつです。5分だけでもいいので俺の話を聞いてください。

 

①基本的あれこれ

 最初に私が浪人するまでの流れを簡単に言っときますね。

 

 生まれる

 ↓

 小学校入学              

    ↓                  

   割とお勉強できる

 ↓

 中学校入学

 ↓

 割とお勉強できる

 ↓

 高校入学

 ↓

 割とお勉強できる

 ↓

 でもずっと勉強(厳密には努力)キライ

 ↓

 テストの点をとる事のみ得意

 ↓

 高校3年間は一夜漬けしかしてなかった

 ↓

 大学受験

 ↓

 当然落ちる

 ↓

 浪人

 

 まあ要は生まれつき「頑張れない」人間が唯一学校のお勉強だけはなんとなく要領よくできたせいで余計「頑張れない」人間になり、もちろん大学受験には通用しなかったっていう。これまでの短い人生の中で頑張ったことが一度もなかったので、いざ受験となっても無理でした。クズかな???

 でも昔から「すごいねすごいね」と周りに言われて育ったせいでプライドだけはちゃんと育っちゃったという、進学校にゴロゴロいるクズですね。

 

 69点なんですよ。90点くらいの、東大に行けるようなわかりやすい天才が努力と成功を繰り返し、お勉強においては30点だけどそれ以外のフィールドでは実は90点という人々がそちらの世界に飛び出していく中、お勉強くらいしか取り柄のない69点の人々は取り残され、プライドを捨てきれずに予備校へ。アホか。

 90点の能力はないのに、30点とは違う扱いを受けてきたせいでプライドは育つ。そしてネチネチ悩む。という“69点コンプレックス”がずっとあった。なんだそのコンプレックス。

 

 

②浪人の1年間

 そうは言っても学ぶこと自体は好きなんですけどね。勉強したいことがあったし、実際行きたい大学があったわけだから。勉強というよりは努力がキライだからテストで点をとるための学校の勉強が本当に無理でした。努力が本当に嫌い...(おいクズ)苦手だから。下手なの。極端に下手。

 でもまあ行きたい大学もあったし、しょうもないプライドもあったし、69点だから勉強を諦めたら自分の価値を見失ってしまう、ブスだし、と思って滑り止めで受かってたとこはごめんなさいして浪人しました。

 

 

 浪人生活が始まった4月。がむしゃらな努力をしようと思いました。ひたすら頑張った人だけが受かるんだなと現役のときに思い知ったからです。自分もそうしようと思いました。無理でした。(早い) 

 やっぱりそこそこ長い時間をかけて出来上がった自分ってもう変わらないんだね。クズは治らない。そうして私は、クズのまんま受験に臨む事にしました。がむしゃらな努力ができない人にも挑戦する権利は与えられているからです。クズはクズなりの、努力するフィールドが用意されているはずだと考えることにしました。クズの正当化です。開き直りです。クズはそうやって生きていくしかないと思いました。

 周りの受験生が当たり前にやっていても自分にはできない事を見極めるようにしました。クズだからです。

 授業以外の人の話はあんまり聞きませんでした。自分じゃない人の方法は自分には通用しないと考えました。自分じゃない人の方法だからです。当たり前。その割に先輩の合格体験記の中でも「努力が苦手だった」という人達のものだけ選んで読み、「この人達が受かったんだから自分も大丈夫かも」と思っていました。都合がいいですね。クズだからです。

 自分のことを自分でクズと言うあたりがイタいですが(「上には上がいる」ように、「下には下がいる」から)、ここまででクズとしての生き方を乗りこなせるようになってきた私は正論を無視しました。

 

 結局、1年間でサボった日がたくさんありました。やっぱり「頑張れない」日がたくさんありました。全てが終わった今だからこうやってクズとしての自分を認めた考え方をしてるけど、頑張れなかった日はその都度「何やってんだよ...」と落ち込みました。そうは言ってもすべてを諦めるほどの悟りは開けていなかったからです。「がむしゃらに頑張らなきゃいけない」という気持ちは最後まであったからです。いやどっちなんだよって感じだけど、どっちでもないからしょうがない。

 

 

③予備校でできた大切な仲間

 いません。友達が一人もできなかった。なにこれ。わざとじゃないんだけど。なんで?

 

 

④オタク心が尽きた

 なんかもう2年も受験生やってたら色んなことがどうでもよくなった。入試直前とか試験以外のすべてがどうでもよかったけど、「どうでもいい」精神は試験が終わっても残った。ちなみにどれくらいどうでもいいかというと、今日スマホ壊れてたぶん初期化するしかないんですけど、もうどうでもいい。データ全部消えるけどどうでもいい。いやよかないけど許せる。あらゆるものへの執着が薄くなっちゃった。ちょっと悲しい。

 だからアイドルのTVや雑誌をチェックすることも、チケットをとって会場まで行くことも、「そんな元気ない...」って感じ。なにより「ときめく」体力がない。4月には引っ越しだから今レコーダーの整理してるんですけど、以前はどんなに些細な番組やCMもなんかもったいなくて消せなかったのにもうなんかバンバン消してる。これも、これも、うん、どうせもう見返さない、って消してる。ベスアやFNSもいっぱい大事に保存してたけど、キンキの歌唱部分だけ残してあと全部消してる。

 

 

⑤オタクにおすすめの勉強法

 「オタク心が尽きた」とか言っといて、舌の根も乾かぬうちに何言ってんのって感じだけど。

 自分の中で革命的な最高の勉強法を編み出したの!!年末くらいに深夜に勉強してて思いついた。世界史の話なんですけど、私どうしても漢字の名前の人々が覚えられないんですよ。中国史ですね。字面がムズカしすぎて全員同じ人に見える。漢字ってムズイ。「蒋介石」とか「周恩来」とか。名前自体が覚えられないんじゃなくて、誰が何をやって、誰がどこの政党で、とかがマジで覚えられなかった。現役の時から覚えては忘れを繰り返してました。日本史とってる人達マジですごいなって思ってた。(まあカタカナが無理って人達もいるんだろうけど)

 で、最高の暗記法を思いついたのです!それは、

 

 「CV」を付ける。

 

 これだ!!!!人名のうしろに「CV.○○○○」を付けるの!

 例)袁世凱(CV.杉田智和

   毛沢東(CV.梶裕貴

 みたいな感じで。これが単純に好きなアイドルとかだと成り立たない。「汪兆銘堂本光一)」だと、は?ってなる。汪兆銘堂本光一に何の関連も無いから覚えようがない。しかしCVを付ける事で全てがスッと入ってくる。あれだけ覚えられなかった中国史の人名を一晩で定着させることに成功しました。

 え、これってオタクみんなやってるのかな?もはや使い古された方法なのかな。浪人の間でちょっと声優さんにハマった程度の私はそっち方面にまるで疎いのでわかりませんが、とにかくこの方法で中国史において怖いものなしになりました!(バカ)

 しかしこの方法には一つだけ難点があって、試験中に人名をド忘れしたときに声優さんの名前しか出てこないという事です。一度、“鄧小平”がどうしても思い出せなくてやむを得ず“小野大輔”と書いたことがありました。一度小野大輔で頭がいっぱいになると、もう鄧小平は永遠に出てきません。

 

 あとでツイッターにノート晒そうかな。明らかに深夜に書いたなということが伝わるノート笑。今見るとおもろい。

 

 

⑥現役時代と違った事

 2年目で後が無いので試験当日に最高のコンディションをもっていけるように準備しました。なので以下、試験当日に関する事です。

 

 ・生理をずらした

 これ結構重要だったと思う。私は特別重い方でもないんですけど、それにしても試 験とかぶったらきついなと思い、産婦人科で薬をもらってどの試験にもかぶらないよ うに調整しました。現役の時はそこまで頭が回らなかった。

 

 ・「配慮」してもらった

 これは個人的なあれなんですけど、私は高校入った頃くらいから教室という場所が苦手でした。人に囲まれている事や静かな独特の空間がダメで、高校時代からテストや模試、授業をリタイアする事が結構あって。具体的には腹痛や吐き気、身震い等。あと気持ち的にも無理でした。予備校の模試も別室で受けたりしてた。だから受験って結構大問題だったんですよ。

 現役時代は何度か「あ、やばい」ってこともありつつなんとか乗り越えたんですけど、今年も不安だなと思ってました。

 そんな時にセンター試験の要項を見てたら「配慮」のページを見つけて。「障がい者等の受験上の配慮について」という見出しだったのでたぶん去年は“自分にはあんま関係ない”と思って流し読みしてたんだと思う。

 その項目を読んでたら結構色々な配慮の種類があって、視覚障がいをもった受験者用の特別な解答用紙の用意とか、身体麻痺をもった受験者のための代筆とか、ほんとに大小いろいろ。

 で、「その他・病弱」の欄に「座席を試験室の出入り口に近いところに指定」という項目があったんですよ。そんなことしてくれるの?!ありがたいにも程がある。端っこの席だったら、長時間人に全方位囲まれる事は無い。この上ない「配慮」。

 早速申請手続きをしました。高校3年間病院に通って安定剤をもらったりとかしてたので、提出用の診断書はすんなりもらえました。

 そして申請も無事に通過し、センター試験当日は本当に周りの人を気にせずに受験できました。国語できなさすぎて焦ったけど。

 同じような配慮はどこの大学の試験にも存在したのでその後受けた大学も受験前に申請し、当日はとても集中して受験できました。マジで助かった。いや、そんな配慮があるなんて知らなくて、「またひたすらに耐えるしかないのか...」と思っていたのでマジでありがたかった。ありがとう、大学入試センター試験

 申請するのはタダだから、何か些細な事でも身体的な不安がある人は検討してみても良いと思う。これを受験生が読んでるか知らんけど。当日のストレスは少しでも減らすべき。

 

 ・冷静だった

 現役の時は試験当日って「本番」っていう構えがすごくあって、なんとなく気分も浮ついてた気がする。

 学校の先生とかも本番ほど精神論投げてくるじゃないですか。今年はそれいらないなと気づきました。“今まで頑張ってきた事をぶつけよう...!”とかいう気負いをやめました。リラックスするために好きな音楽を聴いたりするのもやめました。

 試験開始ギリギリまで、一つでも多くの知識を詰め込む事だけに集中しました。結局それが一番だよな。とにかく点数に直結することだけやった。

 とか言って本命の大学だけはそれなりに緊張して一科目終わるごとにトイレで顔洗ってましたけど笑。

 

 

 

⑦頑張るぞ

 さて。

 「頑張れない」私は、「頑張れない」自分のまんま目標を達成した事にある種の自信を得ました。それは「努力しなくてもなんとかなる」とかじゃなくて、頑張る方法って自分専用のものがあるんだなっていう発見です。

 1年間、確実に普通の受験生よりは頑張れてなかったけど、確実にこれまでの自分よりは頑張れてた。レベルじゃなくて種類の話というか。

 自分なりの頑張り方を見つけたので、これをこのまま大学に持っていこうと思います。そして賢くなりたい。賢くなりたいなー。あまりに物を知らないし。

 

 とか言って大学入った途端に遊びほうけて志を居酒屋で落としてくるのが大学生の仕事ですが、まあまあ。最初なので意識高いこと言っとく。賢くなりたいです。

 まあ、とりあえず一段落して安心しました。大学生になる準備もしつつ、春休みは遊び散らしてやろうと思います。

 

 以上、クズがお送りする不合格体験記でした〜

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁ、、

 

 

大人になりたくねえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜